初めて暮らす函館で感じた苦労と魅力
━━函館に引っ越してきて、まだ1年も経っていないとのことですが、実際に住んでみた感想はいかがですか?
蒲生:一番感じるのは、すごく気候がいいということですね。夏に来て、秋、冬、春と過ごしてきましたが、いつも快適です。位置的には青森よりも北なので、寒いのかと思いきや、函館の方が暖かいし、今年だけかもしれないけど雪も少なかったので。本当に一年中過ごしやすいですね。
━━小さい頃に遊びに来た時には〝観光地〟としての魅力を感じたということですが、〝生活の場〟として魅力的に感じる部分はありますか?
蒲生:物価は安いなと感じますね。スーパーとかに地元で採れた野菜を売っているコーナーとかもあって、新鮮だし、美味しいし、安くて助かります。
あと、来る前は、車がないと移動が不便だという環境が心配だったんですけど、慣れると車生活はいいなと感じています。混んでる電車に乗らなくて済むし、自分のペースで動けるというのはストレスがないですね。
━━反対に、東京と比べて函館は不便だと感じるところはありますか?
蒲生:送料ですね。やはり通販を使うことが多くなったんですけど、北海道って本州よりも送料が高かったりするじゃないですか。こっちに来る前は、欲しいものが売ってなくても通販で買えばいいやと思ってたんですけど、送料が高いのは想定外でした。
━━北海道と沖縄だけ送料別とか、けっこうありますもんね。実際に、函館では手に入らずに、仕方なく通販で買うものってありますか?
蒲生:パクチーですね(笑)。
━━えっ、パクチーって函館に売ってないんですか!?
蒲生:売ってないんですよ。飲み屋さんとかも、事前に注文しておかないと入荷されないと言ってました。パクチー好きなので、困ります(笑)。
━━それは知らなかった(笑)。確かに、実家でパクチーとか食べたことないかもしれないです。では、気を取り直して。函館に移り住み、家族が増えていく中で、今後はどのような暮らしをしていきたいですか?
蒲生:自分が田舎で育ったので、子育てするなら都会より、田舎がいいと思っていました。その方が、反骨精神とか育つかなと(笑)。函館は、私が育った村ほど田舎ではないけど、東京に比べるとゴチャゴチャしていないので、のんびり子育てするには良い環境だと思っています。豊かな自然を身近に感じながら生活していきたいですね。
━━まだまだ先の話になりますが、自分の子どもが函館を出たいと言ってきたら、どんなことを言ってあげたいですか?
蒲生:「絶対出た方がいい」と言います。私も田舎を出てみて、本当によかったと思っているので。
━━故郷を離れてからの約10年間の生活で得たものは何だと思っていますか?
蒲生:出会いですかね。ずっと青森にいたら、これだけ多くの人と出会うことなんて絶対にできませんでした。それは、今となっては何物にも替え難い、大切な財産です。
たくさんの人と出会い、話したことで、頭も柔らかくなったと思います。狭いところにいると、考え方とかも凝り固まってしまうので。
これからは函館に根を下ろし、新たな出会いを大切にしながら、家族と一緒に成長していければと思っています。
(※1)ジャマイカン・スカ
1950年代にジャマイカで発祥した音楽ジャンルのひとつ。2、4拍目を強調したリズムが特徴。
(※2)Or Glory
東京都渋谷区に本社を構えるアパレルブランド。UKファッションをベースに、独自の解釈を加えたアイテムを展開。音楽に精通したスタッフも多い。
MY FAVORITE SPOT
「菓子パンとか惣菜パンとかが衝撃的に安い。しかも、美味しい。デパ地下とかだと200円を超えるパンが多いけど、ここは100円ちょっと。」
「高田屋嘉兵衛の坂の下にあるタコ焼き屋さん。生地にダシの味が効いてて、美味しすぎます!」