越後谷円さん(32)
陸上、バスケ、バレーと、学生時代を通じてスポーツばかりしていたという越後谷円さん。卒業後は、芸能やモデルなど煌びやかな世界に憧れて、上京。身長170センチという恵まれたスタイルを活かしてモデルとして活動していました。しかし、華やかな世界の裏では、精神的にも肉体的にも過酷な現実が待っていたといいます。現在は医療事務として働き、「今が一番楽しいかもしれない!」と語る越後谷さんに、学生時代のお話や上京後の苦悩、モデルの世界の厳しさなどを伺いました。
取材・文章:阿部 光平、撮影:馬場 雄介、イラスト:阿部 麻美 公開日:2015年10月30日
新たな動きに感じる街の進化
━━今は、年に何回くらい帰省していますか?
越後谷:年に1回ですね。お正月に、3、4泊くらい。
━━帰省中はどのように過ごしていますか?
越後谷:高校の時の友達と会ってるかな。飲みに行ったり。けど今はみんなお母さんになっちゃってるからなかなか集まれないですけど。
━━東京に出てきて14年、離れて久しい函館の様子はどのように見えてますか?
越後谷:進化してるように見えますね。一方で、変わって欲しくないなって気持ちもあります。
━━進化を感じるというのは、どの辺りにでしょうか?
越後谷:新しくアリーナができたり、ドンキホーテができたり(笑)。
あと緑の島で夏に『黒船』っていうイベントをやってて、2012年には私もモデルで出演させてもらったんですよ。音楽、ファッションショーをやりつつ、B級グルメが食べられるみたいなイベントなんですけど。モデルとして、道端アンジェリカさんとか熊田曜子さんとかも来てて、昔はこういうイベントはなかったなぁと。そういう辺りに、盛り上がりを感じています。
━━新しい店ができたり、イベントがあったり、そのあたりに街の進化を感じると。自分がいた頃の函館よりも、魅力的に感じますか?
越後谷:絶対にそうですね! こういうのが若い頃にあったら、もっと色んな道が見出せただろうなと思います。東京に出てこなくても、函館で何か見つけたかもしれないし。そういうチャンスの場が、今は増えていると思います。若い子が地元を好きになれるようなきっかけ作りというか、街を盛り上げようとしてる人がたくさんいるような気がしますね。
━━一方で、変わって欲しくないという話もありましたが、それはどのような部分ですか?
越後谷:昔あった店がなくなってたりとか、またパチンコ屋できたんだなぁとか、そういう部分ですね。
━━なるほど。確かになくなっていくものも少なくありませんよね。では、今改めて函館のここがいいなっていうところを教えてください。
越後谷:夜が静かっていうとこですね。特に冬の「シーン」としてる感じが。自分家の部屋の窓から遠くの山が見えたりするから、そういう景色とか見てると、やっぱ函館いい街だなぁと。
━━反対に物足りなさを感じる部分はありますか?
越後谷:もうちょっと遊びに行けるお店があったらなぁとは思いますね。服とか雑貨とか、飲食もそうだし。
━━今住んでいる東京の好きなところ、嫌いなところはどういった辺りでしょう?
越後谷:東京はいろんな人がいるから、いろんな話も聞けるし、何をしててもやっていけるんだろうなとは思いますが、その反面、人が多すぎて嫌になることはあります。
━━一長一短といったところですかね。最後に、東京で生活をしていく上で、今後のヴィジョンなどあれば聞かせてください。
越後谷:東京は何でもすぐアクションを起こせる場所なので、好奇心に従っていつでも動き出せるスタンスでいたいと思っています。いくつになってもフットワークは軽くいたいですね。