いくつもの移住と転職の先に辿り着いた
"自分の店を持つ"という大切な夢

鈴木愛さん(37)
 職業:焼き菓子店オーナー
出身地:恵山
現住所:函館
恵山→函館→札幌→青森→函館

 
函館の元町で焼き菓子店『ホタル』を経営する鈴木愛さん。保育園の先生やカフェスタッフなど、各地で様々な仕事をしていく中で、「失敗してもいいから、人生で一度は自分のお店を持ちたい」との想いが強くなり35歳で一念発起。念願だった自分のお店をオープンさせました。昨年は出産も経験し〝豊かさ〟に対して、より真摯に向き合うようになったという鈴木さんに、札幌や青森での生活や、函館の今について語っていただきました。


取材・文章:阿部 光平、撮影:妹尾 佳、イラスト:阿部 麻美 公開日:2015年7月30日

 
 

 
 
 
 
 

今は無き母校の思い出
 

━━ご出身は恵山町とのことですが、はじめに幼少期のことについて教えて下さい。
鈴木: 住んでいたのは恵山だったんですけど、生まれたのは函館の病院でした。恵山には病院がなかったので。

━━そうだったんですね。恵山町は2004年の12月から、函館市に編入されましたが、当時から人口は減少傾向にあったのでしょうか。
鈴木: そうですね。恵山の尻岸内小学校に通っていたんですけど、それまでは1学年2クラスだったのが、私の代から1学年1クラスになりました。今は他の学校と合併して『えさん小学校』という名前になっています。

━━最近はどこも合併の話が多いですね。中学はどちらへ進まれたのでしょう?
鈴木: 尻岸内中ですね。ここも東光中学校と合併して、今は恵山中学校になっています。

━━母校がなくなるというのは寂しい体験ですよね。小中学校の頃、夢中になっていたことなどはありますか?
鈴木: 部活ですかね。小学校はバドミントン少年団に入っていて、中学はバレー部でした。特に中学校のバレー部はすごく厳しくて、正月以外は休むことなく、毎日練習してました。むちゃくちゃ叩かれたりしながら(笑)。
 
 

 

━━今だったらすぐに「体罰だ!」なんて問題になりますけど、昔はけっこう手を上げるコーチとかいましたよね(笑)。
鈴木: 全然いましたね(笑)。でも、そのおかげで弱かったチームが段々と強くなっていって、渡島大会で3位になりました。全道大会に出場できるのが2位までだったので、残念ながらあと一歩届かなかったんですけど…。とにかくもう部活三昧の生活でしたね。

━━まさに体育会系の青春という感じですね。バレーボールは高校でも続けたんですか?
鈴木: いや、逆にもうバレーはやりたくなくて(笑)。一応バドミントン部に入ってましたが、全然やる気がない感じでした。

━━燃え尽きちゃったんですかね(笑)。ちなみに高校はどちらへ?
鈴木: 下宿をしながら西高校に通ってました。下宿先がすごく古い建物だったんですけど、伝統的な建築物で雰囲気はとても素敵だったのを覚えてます。

━━あの辺りは雰囲気のいい建物が多いですもんね。恵山から出てきてみて、函館の印象はどうでしたか?
鈴木: 遊ぶところが多かったので楽しかったです。服が好きで、よくフリマとかに遊びに行ってました。自分で出店したりもしてましたね。
 
 
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