パソコン少年から会社経営者へ
やりたいことを我慢しないためにお金を稼ぐ!

若山史郎さん(32)
 職業:会社経営
出身地:函館
現住所:東京
 函館→東京

 
 
「僕、お金かせぐのがめちゃくちゃ大好きなんですよ」と明言する若山史郎さん。一見、現金至上主義のようにも聞こえる言葉ですが、その裏には「やりたいことをやるためにはお金が要る」という前向きな信念がありました。パソコンとカードゲームに熱中していた学生時代から、様々な会社を渡り歩いて独立に至るまでの経緯、家族と共に過ごしていく今後のヴィジョンまで、東京と函館の視点から様々なお話を伺いました。

 
取材・文章:阿部 光平、撮影:馬場 雄介、イラスト:阿部 麻美 公開日:2015年6月23日

 
 

 
 
 
 
 

人生を動かした〝変な社長〟との出会い

 
━━はじめに、現在のお仕事について、業務内容や始められた経緯などを教えてください。
若山:今は『アイアンワークス合同会社』と『 Tokyo Mild Foundation 株式会社(以下 TMF 』という2つの会社を経営しています。アイアンワークス合同会社は、『 Dig.cards』というトレーディングカードゲームについての情報サイトを運営しています。 TMFの方は、映像制作や Webのプロモーションなどを行っている会社です。
 
━━本日お邪魔しているのは、TMFさんの事務所なんですけど、こちらでは具体的に、どのような映像を制作しているのでしょうか?
若山:広告に使うための動画制作がメインです。 You Tube を再生される前に流れる動画とか、企業がキャンペーンをする際に使うプロモーション用の動画を作ったりしています。あと、「自社でコンテンツを作っていかなきゃダメだね」ということで、 walk-3000 http://walk-3000.com/)というサイトを立ち上げて、自社でドキュメンタリー映像を撮ったりもしています。
 
━━若山さんは取締役副社長を務められているとのことですが、こちらの会社はどのような経緯で設立されたのでしょう?
若山:TMFには役員が4名いて、そのうちの3人が以前勤めていた不動産会社の同期なんです。そこで知り合ってから、それぞれ一度別の会社に転職したりしたんですけど、数年経ってから「一緒にやろうか!」って話が持ち上がって。それで、去年、会社を立ち上げました。
 
━━なるほど。では、若山さんも最初は不動産業界に身を置いていたということですね。そもそも、なぜ不動産業界に飛び込もうと思ったのですか?
若山:新卒で就職したんですけど、実際、大学生の時には「何になりたい」とか「何をしたい」みないな想いがなくて。「仕事を頑張りたい」「仕事で成功したい」という気持ちはすごくあったんですけど、業種とかは定まってなかったんですね。だったら、個人としての成長幅が一番大きい会社に入りたいなと思ったんです。
なので、電通とかリクルートとか、コンサルティング系の会社とか、 キツそうだけど成長できそうな大きい会社を中心に面接を受けていました。
 
━━ということは、入社した不動産会社も大手だったと?
若山:いや、それが全然違って。僕が入社した時で、社員は自分以外に2人しかいない会社でした。
 
 

 
 
 
━━大手に行くという方針が、途中で変わったんですか?
若山:そういうわけじゃないんですけど。その不動産会社の社長さんが、もうすごく 変、というか 変わった人で、面接に行ったらタンクトップに短パンみたいな感じだったんですよ(笑)。オフィスにもビリヤード台があったり、チワワがウロチョロしてたり、「なんだ、ココ。イケてるけど、やべぇな 」みたいな(笑)。
 
━━大手の面接にばかり行ってた人からすると、ちょっと面食らいますよね(笑)。
若山:僕、社会人ってのはスーツ着をなきゃダメだと思ってたんですよ。大学生の頃に思い描いていたイケてる社会人って、仕立てのいいスーツをパリッと着こなしている人っていうイメージだったので。
その社長さんは、見た目的には真逆な感じなんですけど、すごく仕事ができるということで、周りからは高く評価されているし、会社も大きくなり始めている頃だったんです。
そこで、自分のロールモデルとしては、どちらかというとバシッとスーツを着るよりも、こっちだなと思って(笑)。大手の会社さんからもいくつか内定はもらってたんですけど、この社長さんと一緒に仕事をした方が成長できそうだと感じたので、入社を決めました。
 
━━「不動産業に携わりたい」という気持ちではなく、どちらかといえば社長さんのパーソナルな部分に惹かれての入社だったようですが、その中で得たものといえば、何が思い浮かびますか?
若山:オフィス、事務所の移転の仲介を専門にやっている会社だったんですが、その中で得たものといえば、ひとつは〝人との繋がり〟ですね。オフィスの移転って、基本的に伸びている会社さんが行うことが多いんですよ。社員が増えて、手狭になったというような理由で。なので、勢いのある会社の社長さんを出会う機会が多かったんです。しかも、不動産を選ぶ時って、みなさんけっこう時間をかけて見られるので、一緒に過ごす時間も長いんですよ。その中で、いろんな話を聞かせてもらえたのは、自分の財産になってますね。
もうひとつは、社長から教わった〝仕事に対する姿勢〟です。うちの社長は「売上じゃなくて、クライアントの利益にコミットしなさい」ということをよく言ってたんです。例えば100万円をもらうための仕事をするんじゃなくて、100万円払う価値のある仕事をすべきだという。お客さんが100万円をかけて移転した結果、売上が伸びたとか、何かしらのメリットがないと移転の意味がないじゃないですか。そこまで意識した仕事を心掛けるというのは、今でも自分の指針になっていますね。
 
 
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