新卒のフリーターが掴み取った
「世界一のサーカス」という夢舞台!

高堰翔平さん(24)
 職業:シルク・ドゥ・ソレイユ パフォーマー
出身地:函館(上磯町)
現住所:ラスベガス
 函館(上磯)→恵庭→京都→ラスベガス

 
 
日本でも絶大な人気を誇るサーカス『シルク・ドゥ・ソレイユ』で、パフォーマーとして活躍する高堰翔平さん。幼稚園の頃に器械体操を始めたのがきっかけで、体操の道へと進み、大学時代は新体操で日本一に輝きました。しかし、卒業後は「体操以外のことが何もわからない」という理由で、フリーターという進路を選択。「特にコレといった目標はなかった」というアルバイト生活の中で、シルク・ドゥ・ソレイユからオファーが届き、世界最高峰のショーに出演するパフォーマーへと華麗なる転身を遂げました。
現在は、ラスベガスのホテルで行われている、マイケル・ジャクソンをテーマにした『ONE』という常設公演に出演している高堰さんに、全校生徒27人という小学校での思い出や、「世界一のサーカス」とも称されるシルク・ドゥ・ソレイユの実態、アメリカでの暮らしぶりなどについて伺いました。

 
取材・文章:阿部 光平、撮影:馬場 雄介、イラスト:阿部 麻美 公開日:2016年8月15日

 
 

 
 
 
 
 
 

年に1回しかない帰国中の意外な楽しみ

 
 
━━地元を離れてから約10年、アメリカ行ってからは年に1度のペースで帰省しているということですが、最近の函館はどのように見えていますか?
高堰:基本的には、友達と遊んでるだけなので、あまり変わらないですね。だけど、今年は、新幹線が開通したりで、街の変化が楽しみですけど。
 
━━毎回、帰国の度に楽しみにしていることはありますか?
高堰:コンビニですね。 
 
━━コンビニが楽しみというのは?
高堰:アメリカにもコンビニはあるんですけど、品揃えが悪いんですよ。パンとかも美味しいわけじゃないし、全体的に質がよくないというか。だけど、日本のコンビニって品揃えも豊富だし、売ってるものも美味しいじゃないですか。だから、帰ってくると、まずコンビニに行って、好きなコーヒーとセブンスターを買うってのが、いつものパターンです(笑)。
 
━━慣れちゃうと当たり前になっちゃうけど、日本のコンビニは貴重な存在なんですねー(笑)。
高堰:そうだと思います! あと、函館に彼女がいるので、それも大きな楽しみですね!
 
━━遠距離恋愛なんですね! 僕も経験があるんですけど、なかなか会えないことでケンカになったりしないですか?
高堰:ケンカとかは、そんなにないですね。スカイプ飲みとかも、けっこうしてるので。
 
━━そっか! スカイプ飲みってけっこう楽しめますもんね!
高堰:顔見てしゃべれるので、重宝してます!
 
 

 
 
 
 

━━「パフォーマーとしてやれるのは30歳くらいまでかな」というようなお話もありましたが、その後もやはり新体操には関わっていきたいという気持ちですか? それとも別のフィールドでやっていきたいですか?
高堰:違うフィールドの方がいいです。30歳くらいから何かコツコツとやりたいなという気持ちがあるので、それくらいを目処に違うフィールドにいこうかなと。 
 
━━パフォーマンスとかで食べてる人って、少しでも長く現役を続けたいのかなと思ったら、意外とそうでもないんですかね? 
高堰:どうなんですかね。引退したらまたやりたいって気になるんでしょうけど、やっぱしんどいんから、辞めたいって人の方が多いかもしれないですね。 
 
━━スポーツ選手とかって、惜しまれつつ引退することが多いじゃないですか。だけど、本人側としては「やっと辞められたーー!」って感じなんですかね。 
高堰:もちろん、人によると思いますけど、僕はそっち側かなと思います。
 
━━「世界一のサーカス」とも称されるシルク・ドゥ・ソレイユで、パフォーマーをしていたという経験について、詳しく聞きたいって人も多いと思うんですけど、そういうことを後進に伝えていこうという意思はありますか?
高堰:高校生とかの演技を作ったりはしてみたいですけど、指導者ってなると興味はないですね。
あまり毎日練習に顔出すと「アイツ、また来たよ」って思われるじゃないですか(笑)。それよりは、たまにフラッと来て、ためになることを教えるくらいのスタンスがいいですね。そっちの方がお互い楽だろうし。もし、人に教えるとしても、それくらいの感じがいいです。
 
確かに、部活とかやってて、毎日口うるさく言われると嫌になっちゃうことってありますもんね。今後、アメリカに残るか、日本に帰るかは未定ということでしたが、函館に帰ってくるという選択肢も考えていますか?
高堰:考えてます。

 
━━ラスベガスで華やかな暮らしをしている人にとって、函館の生活は物足りなかったりしませんか? 
高堰:遊び方とか、僕は田舎の方があってるなーって気はするので、退屈はしないと思います。ラスベガスでも、カジノをするわけでもないし、特に華やかな暮らしをしているわけではないので。
でも、とりあえず30歳まではシルクで頑張りたいと思っています! その後のことは、その時に考えます(笑)。
 

 

MY FAVORITE SPOT

 
ラウンドワン

「大学生の時は、帰ってくる度に行ってました。騒ぎすぎて怒られたこともあるんですけど、よくボーリングをして遊んでましたね」

 
上磯ダム

「家から10分くらいのところにあるんですけど、小さい頃は父親と山菜狩りに行ってて、大人になってからも友達とキャンプに行ったりしています」

 
本町

「帰ると飲みに行きます。知らないおじさんに絡まれて、ケンカになったこともあるんですけど、飲屋街って感じで楽しいですよね」