上京して20年目の春、僕は故郷の函館へ戻ることにした。
理由はいくつかあるのだが、一言で言えば「やりたい仕事と、住みたい場所を両方とも諦めないため」の決断だ。函館に拠点を移して、これからも文章の仕事をしていこうと思っている。
19歳の頃の僕に明確な目標はなく、あるのは都会に対する単純な憧れのみだった。そんな半端者だから、はっきりした目標を持って上京してきた人に会うと恥ずかしいような、後ろめたいような気持ちになったのを覚えている。
きっと当時の僕がダブルグッチーと出会っていたら、強がって自分を実物以上に大きく見せようとして、その後で自己嫌悪に苛まれていたに違いない。函館で結成され、ハイスクールマンザイで準優勝を果たし、お笑いで食べていくという夢を叶えるために上京した彼らには、同じ年齢だった頃の中途半端な自分を照らして影を浮き上がらせるような眩しさがあった。
コロナの影響で様々な業界・業務のリモート化が進み、場所を選ばずにできることが増えた。しかし、何かを目指す上で相応しい場所というのもやっぱりある。「芸人としてテレビで活躍したい」という目標を掲げるダブルグッチーのふたりが東京へやってきたのは、極めて自然な判断だったのだろう。
それはきっと時代や世の中の状況に左右されるような判断ではない。もっと強力な、「自分たちがやりたいことをやる」という決意によって選ばれた道だからだ。そういう揺るぎない姿は、見る者の背筋を正す。
大学生漫才コンビとなったダブルグッチーの木戸口育未さんと水口勝心さんは、これまでどんな経験をしてきて、今はどのような未来を思い描いているのだろう。僕が東京から函館に戻る直前の2021年3月末、函館から上京してきて間もないふたりに話を伺った。
文章:阿部 光平、写真、Webデザイン:馬場雄介、 公開日:2018年10月10 日
理由はいくつかあるのだが、一言で言えば「やりたい仕事と、住みたい場所を両方とも諦めないため」の決断だ。函館に拠点を移して、これからも文章の仕事をしていこうと思っている。
19歳の頃の僕に明確な目標はなく、あるのは都会に対する単純な憧れのみだった。そんな半端者だから、はっきりした目標を持って上京してきた人に会うと恥ずかしいような、後ろめたいような気持ちになったのを覚えている。
きっと当時の僕がダブルグッチーと出会っていたら、強がって自分を実物以上に大きく見せようとして、その後で自己嫌悪に苛まれていたに違いない。函館で結成され、ハイスクールマンザイで準優勝を果たし、お笑いで食べていくという夢を叶えるために上京した彼らには、同じ年齢だった頃の中途半端な自分を照らして影を浮き上がらせるような眩しさがあった。
コロナの影響で様々な業界・業務のリモート化が進み、場所を選ばずにできることが増えた。しかし、何かを目指す上で相応しい場所というのもやっぱりある。「芸人としてテレビで活躍したい」という目標を掲げるダブルグッチーのふたりが東京へやってきたのは、極めて自然な判断だったのだろう。
それはきっと時代や世の中の状況に左右されるような判断ではない。もっと強力な、「自分たちがやりたいことをやる」という決意によって選ばれた道だからだ。そういう揺るぎない姿は、見る者の背筋を正す。
大学生漫才コンビとなったダブルグッチーの木戸口育未さんと水口勝心さんは、これまでどんな経験をしてきて、今はどのような未来を思い描いているのだろう。僕が東京から函館に戻る直前の2021年3月末、函館から上京してきて間もないふたりに話を伺った。
文章:阿部 光平、写真、Webデザイン:馬場雄介、 公開日:2018年10月10 日
漫才のスタイルを変えた意外な理由
ー生まれ育った函館を離れて暮らすおふたりから見た、東京の印象はいかがですか?
木戸口:ふたりとも住んでるのは神奈川なんですけど、それでも都会だなって思うし、やっぱり田舎者なんで、なるべく用がない限り都内には行きたくないですね。人混みがしんどいし、人見知りだっていうのもあって。だから、まだ東京に行くと緊張しますね……。
水口:僕は、お肉屋さんでアルバイトをはじめたんですよ。接客の仕事なのでひとりひとりのお客さんと話すんですけど、本当にいろんな人がいるなと思って。優しい人もいるし、ちょっと危ない感じの人もいるし、危ない感じかと思いきや優しい人もいるし、すぐ大声出してくる人もいるし。
高校生の頃はお笑いばっかりで、バイトもしたことがなかったんですけど、そうやっていろんな人がいるってわかっただけでも、既にこっちの暮らしは楽しいです。
ーお笑いをやるフィールドとしてはどうですか? 函館では自分たちで作らないとライブをできる場所がなかったですけど、東京は舞台もたくさんありますよね。
木戸口:そうですね。舞台もあるし、自分たちでエントリー料を払えば出られるライブもたくさんあります。僕らは2月の頭から東京のライブに出はじめたんですけど、今は高校のときとスタイルを変えた漫才を試してます。頭からケツまでウケるときもあれば、スベりっぱなしのときもあって、試行錯誤の真っ最中って感じですね。
水口:同じネタをやっても、お客さんによってリアクションが全然違うんですよね。大爆笑のときもあれば、ひとつもウケないときもあって。「何が正しいんだろうな?」って、ちょっと迷路を彷徨ってます。まぁ、僕はネタ書いてないんであんまり偉そうなことは言えないんですけど(笑)。
ー函館でやってたときは、お客さんの反応を見ながらネタをブラッシュアップしてたのに、毎回ネタに対する反応が違うとなると、どこを直したらいいのかわからなくなりそうですね。
木戸口:それもありますし、ウケても「本当に面白いのかな」って思ったりしちゃうんですよね。
ーあー、自分の感覚が信用できなくなるというか。
木戸口:ですね。でも、本当にトップの人はどこでもウケてると思うんで、そうなるしかないんだろうなって。今はそう思ってます。
ー「高校のときとスタイルを変えた」というのは、なぜなんですか?
木戸口:高校のときは、僕がひょうきんにボケて、水口が正しくツッコむスタイルの漫才だったんですけど、普段の僕らって全然そんな感じじゃないんですよ。僕はひょうきんにボケるタイプじゃないし、水口もどちらかというとツッコミで笑いをとるより、的外れなことを言って、それを自分でなんとかするみたいな姿がみんなにウケてたので。
そうやって現実とネタに乖離があることで、ハマらない部分もあるのかなと思ったんですよね。だから、そこの差をなくして、なるべく普段通りのキャラでやれるようなスタイルに変えたんです。
水口:高校のときにやってた漫才は、僕が面白いフレーズでツッコミを入れて、笑いが起きるって感じだったんですよ。だけど、高2から高3にかけて声変わりをしてしいまして……。
高2のときは甲高くて透き通った声だったから面白かったのに、声変わりしたら変なフレーズを言っても全然ウケなくなっちゃったんですよね。
ーえー(笑)。
木戸口:僕がボケで笑いをとって、水口がツッコミで帳消しにするみたいな。
水口:ツッコミで笑いが加速されなくなっちゃって。これはやばいなってことで、スタイルを変えたっていうのもあります。
ーそれは、若い頃からやってたからこそぶつかった壁ですね。
木戸口:しかも、すごく大事な時期だったので。ほんとにもう、どんなタイミングで声変わりしてんだよって話なんですけど。でも、声変わりしちゃったのは仕方ないので、また新しいスタイルを作っていきたいと思ってます。
「もう一度、小学生の頃のノリでやってみよう」
ー芸人さんによっては、キャラ作りを大事にする方もいるじゃないですか。そうではなく、素に近い立ち位置・関係性に戻そうと思ったのは、どうしてだったのでしょうか?
木戸口:水口のほうがナチュラルにキャラが濃くて、いじられやすいので、こっちを立てて笑いをとったほうがいいんじゃないかなと思ったんです。
僕も小学校の頃から、水口が変なことをしたのをいじって笑いをとってたんですよ。自分が先攻というよりかは、水口を立てるみたいな感じで。
ーつまり、普段のキャラ、関係性で漫才をするっていうのは、ダブルグッチーにとっての原点回帰なんですね。
木戸口:そうですね。もう一度、小学生の頃のノリでやってみようって感じです。
ーお笑いをやっていこうと考えたとき、ひとつの選択肢として養成所という道もありますよね。養成所には通わず、自分たちでやっていこうと思ったのはなぜだったんですか?
木戸口:養成所って、芸能事務所に入るためには大事なステップだと思うんですけど、僕らは高校からやってた分、ある程度の力はついたかなと勝手に思ってたんですよね。だから、東京で直接事務所のオーディションを受けたほうがいいかなって。今はどこの事務所を受けようか話し合ってるところです。
水口:いろいろと話し合いはしたんですよね。大学と養成所のダブルスクールをする案とか。だけど、とりあえずは自分たちで頑張ろうって話になりました。
ーこれまでも現場の叩き上げでやってきたし、これからもそういうスタンスでやっていこうと。
木戸口:そうですね。養成所に行くよりも、たくさん現場に立ったほうが経験になるかなって。
水口:FMいるかでのラジオも、結局は2年半くらいやらせてもらったんですよ。そこでフリートークとかもやらせてもらってて、多少なりとも力はついてきたという自信もありました。
ーちなみに漫才のときの衣装って、最初からスーツなんですか?
木戸口:そうですね。高校のときは割とカチッとしたしゃべくり漫才をやってたので、ちゃんとジャケット着たほうがいいかなと思って。あと、初めてハイスクールマンザイに出たときの優勝コンビが、めちゃくちゃピシッとしたスーツを着てたんですよ。それを見て、「高校生でも、こんなの作るんだ」って衝撃受けて。その影響もあります。
水口:今、衣装で着てるのは高校のときとは別のスーツで、お笑いのイベントでもらったギャラで仕立てたんです。
ーはぁー、そうなんですね。いいエピソード!
木戸口:函館のお祭りとかイベントに呼んでもらって、そういうところでいただいたお金を使わないで貯めておいたんです。今ライブに出るために払ってるエントリー費用とかも、そういう貯金から出してます。
お笑いに対してストイックな木戸口さんと、
少しゆるめな水口さん
ーおふたりがお笑いをやっていくことに対して、ご両親は何とおっしゃってますか?
木戸口:そこはもう素直に応援してくれてますね。大学にいかせてくれたということは、ダメでも別の道で頑張れってことだと思うので、そういう姿勢で支援してもらえてるのはすごくありがたいです。
ー水口さんはいかがですか?
水口:そうですね。僕は親が社長なので完全な後ろ盾があるんですよ。
ーえぇー、何それ(笑)。
木戸口:どんだけコケても、家業を継ぐ道があるっていうね。
水口:お笑いがダメでも、這い上がれるっていう。ごめんなさい、それは。
ー全然背水の陣じゃないんですね(笑)。
水口:はい。まったく危機感もなくやらせてもらってます。
ーめちゃくちゃ対照的なふたりですね(笑)。ストイックにお笑いをやってる木戸口さんは、水口さんのゆるいスタンスをどう捉えてるんですか?
木戸口:キャラ的に立ってるんで面白いは面白いですけど、やっぱり熱量の差を感じることは多々あるので、腹が立つときもありますよね。僕がコロナの影響で東京に行けなくて悶々としてるときに、コイツは釣りとかやってましたから。
水口:親が船を持ってまして……
ーあはははは!
水口:それで釣りに行ったり、僕も時間があったので船舶免許を取りました。充実した一年でしたね。
木戸口:キャンピングカーで遊びに行ったりね。
水口:キャンピングカーも持ってるんですよ、親が。
ーどんどん出てくるな、お金持ちエピソード(笑)。
水口:でも、もちろんお笑いも好きなんで。
ー「お笑い〝も〟」って言ってるじゃないですか(笑)。
水口:いや、本当に頑張りたいとは思ってます。
木戸口:まぁ、こういう背景があるからこそ、人とズレたことを言ったり、舞台上で変なことをやらかしたりってのはあると思うので、そういうのがコンビにとっての武器になる可能性もあるのかなって。だから、水口は本当にそのままいってくれと思ってます。僕にはないものを、いろいろと持ってるんで。
ーコンビとしての今後の展望は、どんなことを考えてますか?
木戸口:まずは事務所に入るために、オーディションを受けることですね。事務所に所属すると、テレビ番組のオーディションを回してもらえたり、ライブの場所を用意してもらえたりするので。今のようにどこにも所属していないフリーのコンビだと、ライブに出演するためにエントリー費用がかかるんですよ。それがなくなって、舞台に出るチャンスが増えるというのが事務所に入るメリットだなって。
そこでいろんな経験を積んで、最終的にはテレビに出たいですね。今はネットの時代ですけど、僕が憧れを抱いたのはテレビの世界なので。やっぱりテレビに出たいという気持ちが1番強いです。
ー目指すところはテレビ。
木戸口:はい。自分らの世代だとTikTokがめっちゃ流行ってるんですよ。芸人じゃなくてTikTokerとかYouTuberで同級生が笑ってて、それがちょっと悔しいんですよね。
古いかもしれないけど、僕はやっぱりテレビが1番面白いと思ってるし、YouTuberやTikTokerよりも芸人さんが面白いと思っているので。だから、自分も芸人としてテレビで活躍したいですね。
ー水口さんは、いかがですか?
水口:いや、僕も一緒で……
ークッ……、すいません(笑)。実家がお金持ちって話をあれだけ聞いちゃうと、何を言われても笑っちゃうなぁ。
木戸口:僕も自分の話をしながら、めちゃくちゃ振ってるなと思ってました(笑)。真面目に語れば語るほど、水口へのフリになってる。
ーいや、そうなんですよ(笑)。すいません。改めて、どうですか水口さんの今後の展望は。
水口:いやもう、木戸口と一緒です。
一同:(笑)。
木戸口:いやいや、一緒じゃないだろ。「社長になる」だろ、お前はもう。
水口:一緒だと思いますけどね。いやでも、正直、起業したいっていう気持ちもあります。
一同:(爆笑)
ーいやぁ、面白いなぁ(笑)。ちなみに水口さんは大学で何の勉強をされてるんですか?
水口:経営学です。
木戸口:経営する気満々じゃねぇかよ!
ーすごいな、全部がフリになっていく(笑)。
水口:ちなみに僕らはふたりとも、ダブルグッチーの活動を使って大学に入ってるんですよ。
ーあぁ、一芸入試みたいな。
水口:そうですね。だから、大学に入るためにもダブルグッチーが役立ったんですよね。
木戸口:踏み台みたいに言うな。大学のためにやってたわけじゃないからな。
水口:それはそうですね。とりあえずは、僕もお笑いを頑張りたいです。
ーいいコンビだなぁ(笑)。
函館とお笑い
ー離れてみてから、函館のことはどういうふうに見えてますか?
木戸口:住んでるときは「何もねぇな」とか「遊ぶところほしい」とか思ってたんですけど、離れてみたら、実はめっちゃいろんなものがあって、魅力的すぎる街だなって思うようになりました。本当に。
ーどんなところが魅力的だと感じるようになったのでしょう?
木戸口:やっぱり食べ物が美味しいし、歴史もあって観光スポットも多いじゃないですか。サイズとしても住みやすいし、いろんな人と繋がれる場所もあったので、いい街だったんだなって。こっちに出てきてから改めて感じましたね。
ー水口さんはどうですか?
水口:いや、帰りたいですね。
ーあははは(笑)!
木戸口:こっちで頑張れ、お前。フリにすんな、俺の話を。
ーまたフリにされた(笑)。
水口:いや、でも帰りたいなって思うんですよ。釣りが好きなんですけど、こっちじゃあんまり行けないじゃないですか。
ー「海が遠いな」っていうのは思いますよね。
水口:そうなんですよ。やっぱ、自然が近くにある環境はいいなって思いますね。
ー小さい頃から自然が近くにある環境で育ったんですか?
木戸口:なんか習い事してたよね?
水口:あぁ、ゴルフを習ってましたね。
ーいやいやいや(笑)。まだ出てくるかぁ、お金持ちエピソード。
水口:ちょっとだけですけどね、ゴルフは。でも、普通に海が近かったし、空き地にいけばオタマジャクシがいたしって感じで、自然は身近な存在でした。だから、そういう環境のほうが落ち着くっていうのは、すごくあります。
ー函館出身の芸人さんといえば『ザ・ギース』の高佐一慈さんや、『オズワルド』の畠中悠さんがいますが、ダブルグッチーの後にも函館からお笑いコンビって出てきてるんですか?
木戸口:僕らが知ってる限りでは出てきてないですね。出てきてほしいなと思って、出身の中学校で学校祭に呼んでもらったときに「ハイスクールマンザイに出たい人は、何でも手伝うから連絡して!」って呼びかけてみたんですけどね。
ー僕が知らないだけかもしれないけど、函館には〝お笑いシーン〟みたいなのってないですよね。音楽シーンとか、演劇のコミュニティとかは聞くけど、お笑い好きの人が集まったり、そのなかから自分でやる人が出てきたりって話は聞いたことないなって。
きっとどこの学校にも、どの学年にもめちゃくちゃ面白い人っているじゃないですか。でも、芸人を目指すって人には会ったことがないですね。
木戸口:僕らもそうですね。でも、もっと出てきてほしいなって。そうなればお互いに切磋琢磨できるし、函館を盛り上げられるかもしれないじゃないですか。
ーあぁ、そういう気持ちもあるんですね。自分たちが売れることだけでなく、街に対してもポジティブなインパクトを与えたいという。
木戸口:それはありますね、やっぱり。
水口:僕ら、本当は去年の3月に函館市芸術ホールで単独ライブをする予定だったんですよ。チケットも500枚くらい売れてたんですよね。めっちゃ手売りして。
木戸口:いろんな人に頭を下げて手売りしてたんです。
水口:タオルとかステッカーも作って、オンラインで売ったりもしてて。タオルはもう完売だったんですよ。でも、コロナの影響でライブは中止になっちゃって。
ーそれはすごく残念だけど、ポジティブに捉えたらいいフリになってるんじゃないですか。きっといつかできるじゃないですか、リベンジを。そのときは、すごい盛り上がりそう!
水口:そうしたいですね。市民会館も新しくなったので、あそこでも1回やってみたいと思ってます。
ー東京では、やってみたい箱とかありますか?
水口:武道館ですね。1万人くらい入れたいです。
木戸口:こいつ、嵐が好きなんで。
水口:はい。できれば国立がいいですけど。
ーあははは(笑)。
取材を終えて
お笑いに対してストイックな木戸口さんと、いい意味で肩の力が抜けている水口さん。ふたりの話を聞きながら何度も「いいコンビだなぁ」と思った。
僕はお笑いに詳しいわけではないが、彼らの間には〝今さら口に出すまでもない信頼感〟があるように感じた。相手を信頼してるから自分を出せるし、軽口も叩ける。6歳で出会ってから一緒に過ごしてきた14年間という時間が、お互いに対する信頼を言葉がいらないほど強固なものにしたのだろうと思った。
取材の翌日、池袋で開催されるお笑いライブにダブルグッチーが出演するというので見に行った。
前日に「一か八かなんですけど、攻めたネタをやろうと思ってます」と話していた通り、彼らは場の雰囲気に合わせることも、お客さんに媚びることもなく、自分たちが今やりたいネタを披露した。会場の反応は正直いまひとつだったけど、身銭を切って手に入れたわずか2、3分という時間で自分たちが積み上げてきたものを出し切ろうとする姿は、激しく胸に迫るものがあった。
「やりたいことをやるっていうのは、手足が震えるような緊張と興奮のなかで生きることだよな」
そういうことを改めて噛み締めるような時間だった。テレビでダブルグッチーの姿を見たとき、僕はきっとこの日のことを思い出すだろう。そして、今よりも大きくなったふたりの漫才が函館で見られる日を、地元の人間のひとりとして心から楽しみにしている。
ーライブ情報ー
U-22 お笑いバトルライブ 『レジスタリーグ!』
2021年9月25日(土)
西新宿ナルゲキ(東京都)
以下、レジスタリーグHPより
★16~22歳によるバトルライブ『レジスタリーグ!』とは…★
プロでもアマでも高校生でも社会人でも、オモロイ16~22歳であれば誰でもOK!
「U-22最強芸人」を賭けてしのぎを削る未だかつてないライブです!
是非ぜひお越し下さい!!
プロでもアマでも高校生でも社会人でも、オモロイ16~22歳であれば誰でもOK!
「U-22最強芸人」を賭けてしのぎを削る未だかつてないライブです!
是非ぜひお越し下さい!!
チケット等の詳細は以下より!
https://tiget.net/events/143678
※当日はライブ配信チケットもあるようです!是非、函館より応援してみてはいかがでしょうか!