18歳のときに母親を亡くし、残された弟妹を支えるために、働き詰めの青春時代を送ったという角野展稔さん。突然訪れた母親の死によって、「自分もいつ死ぬかわからない」と考えるようになった角野さんは〝自分の城〟を築くつもりで上京し、何のツテもないまま飲食の世界に飛び込んだといいます。
現在は、オーナー兼ソムリエとして、千駄ヶ谷でビストロ『やさいとワインの店 アンフォラ』を経営する角野さんに、裕福な暮らしから一転して「本当に貧乏だった」という函館での生活や、読書体験によって培われたポジティブな生き方、農楽蔵をはじめとする函館近郊の生産者の方々との衝撃的な出会いなどについて伺いました。
ー取材・文章:阿部 光平、撮影:馬場 雄介、イラスト:阿部 麻美